約3年ぶりに日本パンダ保護協会の懇親会が開催されました。
そこで聞いた飼育員さんの話を少しお伝えします。
S飼育員さんのお話
懇親会にはシャンシャンが生まれた時から、ずっと飼育していたS飼育員さんと上野動物園の副園長さんがいらっしゃっていて、お話をしてくださいました。
東園から西園への引っ越しと、東園に戻した時、シャンシャンは予想以上にダメージを負ってしまった。中国に行けるのかという心配があったけど、今思えば、それが意外といい練習になったのかなと思います。
飛行機の中でシャンシャンは1時間寝る時間もあった。ちょこちょこ見に行っていたけど、ずっと付き添いだと私の方がしんどいので、1時間おきくらいに。人がいない方がシャンシャンも落ち着けるかなあと、あまり近づかない時間帯も作った。そこでシャンシャンが寝ていたのを見て、すごくホッとした。
中国に行った後は飛行機を降りてそこから先はシャンシャンに会っていないので、具体的なことは聞いた話でしかないが、中国の飼育員さんはシャンシャンのことをデリケートだと言っていた。そんなこともあって公開まで時間がかかったのかなと思います。中国の方と連絡を取り合っていて、シャンシャンをとても大切にしてくれていましたので、その辺は全然心配してなかった。時間が来れば公開はされるんだろうなと。毎日、基地に行ってシャンシャンどうですか、昨日の夜から今朝までどのくらい食べましたかと聞いたり。予想以上に早く、りんごを食べた。帰る前にはタケノコもと聞いて、ホッとした。心配だったのは竹を食べなかったこと。流れてくる映像を見てもずっとタケノコ。竹を食べてる姿を見るまで本当に心配でいた。でも、公開前に竹を食べる姿を映像で見れたのでホッとした。
今後はシャンシャンも次のステップへ進んでもらえればいいなと思う。いつか、シャンシャンが子供を抱いてる姿を見るのは感動もの。そんな姿が見たい。シンシンは良いお母さん。我々が育てたのではなく、シンシンが育ててくれた自慢の娘。シャンシャンがお母さんになるまで、お母さんになった後、子育てをしてる姿を皆さんと一緒に楽しみにしたいと思います。
飼育員さんへの質問
飼育員さんへの質問コーナーもありました。
条件が揃えば発情する。その次に進むかは中国の繁殖プログラムの中で決められる。
副園長、S飼育員さん
会いたかった。帰るまでは何らかの形で関わりたかったけど、検疫があるから会えないのは仕方ないことなのかなと。
S飼育員さん
園を出る時は「じゃあね、また後でね」
飛行機降りるときは「元気でね」
副園長
中国では話しかけてない。話しかける機会がなかった。検疫のところが遠くで、扉が閉まって、あーって話しかけたくらい。中国に着いてから飼育員とシャンシャンは別の車で飛行場から移動、ほぼ同時に着いたんだけど、検疫所にころころころっと入っていってしまった。とにかく無事に落ち着いて休んでもらうことしか考えてなかった。話しかける余裕はなかった。
日本ではずっとタケノコを用意することができなかったので、ずっとタケノコばかりあげてくってことはなかった。竹を食べていないと、うんちが緩くなる。上野では竹とタケノコ、竹とパンダ団子という形でセットであげていた。
丸ごと出すと一瞬で終わってしまう。上野では一日の量を決めていて、それを小出しであげていた。
認識してると思う時としてないだろうなと思う時がある。担当者個人については正直分からないけど、分かってるような時もある。
それはない。餌を欲しい時に、そのタイミングで声をかけたら寄ってくる。
個人的に質問したこと
シャンちゃん大きいニンジンを渡されて嫌だ〜と頭を振ってたことが何度かありましたが、S飼育員さんはあんまり記憶ないみたいです。違う飼育員さんの時だったのかな。
Sさん自身はシャンシャンがニンジン嫌いだとは認識してないとのこと。小さく刻んだら食べたから。でも中国では食べてないですねと言ったら、甘やかしすぎたのかなと仰ってました。
印象的な動物。
可愛い時もある。
モグラの飼育がしたい。いつか携わりたい。パンダを飼育するのも貴重な経験。
以前、他のパンダ飼育員さんにお話を聞いた時もチンパンジーの飼育がしたいと仰っていて、上野動物園のパンダ飼育員さんは一番にパンダの飼育をしたいと思ってる方は少ないのかなという印象です。それでも、しっかり大事に育ててくださっていて感謝です。
簡単にまとめたので、端折ってる部分と記憶違いのところもあるかもしれませんが、大体こんなことを仰ってました。飼育員さんのお話を聞ける機会は少ないので、とても貴重な時間となりました。飼育員さん達、お忙しい中ありがとうございました!
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